平戸魚市株式会社は、1950年1月の開場以来、70余年に渡り九州北西部の水揚げ基地としての役割を担ってまいりました。
我が国の水産業の歴史を振り返りますと、大きな転換期がございました。1985年9月23日の先進6か国中央銀行総裁会議において、当時のアメリカの貿易赤字と財政赤字問題が討議され、特に対米貿易黒字額が大きかった日本円に対する対ドル円高容認が決議されました。(プラザ合意)
翌日のドル円レートは、230円台から210円台、1年後には150円となり、この1年で我が国は、世界の主要な水産輸出国から輸入国へと転じました。我が国の水産業が長年に渡り大きな打撃を受けたのは言うまでもありません。
世の中は、常に変化をしています。我が国の経済の停滞が長引く中アセアン(東南アジア諸国連合)+中韓の発展は目覚ましく、欧米も羨む国境のない巨大なアジアの経済圏を構築しようとしています。為替レートは、国家間の適正化に向かい円ドルは150円まで修正されております。第二の転換期であります。再び、水産物輸出国としての将来の姿が見えてまいりました。輸出の復活は、市場を活性化させ生産者の所得向上、延いては水産業の強靭化につながります。主要通貨に対する現在の日本円の動きは、大きなインバウンド需要を呼び込みます。 我が国の明るい水産業の未来を見据えながらその発展に関わってまいたいと存じます。
平戸魚市株式会社
代表取締役社長 坂田宗昭
五島列島北部の小値賀町に存在した北松漁連という鮮魚販売の共同組合が本土で鮮魚販売をする為に平戸市田平町に開いたのが、現在の平戸魚市(株)地方卸売市場(以下、平戸魚市)であります。 その後、長崎県平戸市生月町を拠点とする有力な漁業会社であった金子漁業(現在の東洋漁業株式会社)の注力により魚市場として整備され、1949年(昭和24)11月に開設、翌1950年(昭和25)1月に開場致しました。
平戸魚市場の卸売業者は、平戸魚市1社、市場の管理運営も平戸魚市が行う民設民営の卸売市場であり鮮魚の卸売の他にも、青果物を取り扱う総合市場でもあります。
市場の買受人は30社であり、有力な仲卸は神奈川県に本社を置く食品卸売事業を行う倉庫事業大手、福岡市や唐津市に本社を置く大手出荷業者や長崎県漁連などであります。